楠原行政書士事務所

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遺留分減殺請求とは
(契約書の作成)
 
 
1.契約について
 いわゆるビジネスや一般社会における「契約」とはどういうものを指すのでしょうか。
 日本の民法では贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用(雇傭)、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解といった13種類の典型契約を定めていますが、これらの典型契約に該当しない契約の存在も許容しています(契約自由の原則)。
 たとえばスーパーで物を買った際には売買契約が成立しますし、クレジットカードでキャッシングしたら金銭消費貸借契約が成立します。
 ただし、契約自由の原則だからと言って何を決めても契約は有効というわけではありません。契約の一方当事者の優越性の修正や社会秩序の維持のため、法によって契約自由の原則が修正されることがあります。そのような例として、たとえば雇用者と労働者の間を規制する労働契約法であるとか消費者問題に対処するための消費者法、下請事業者が不当な契約を押しつけられないようにするための下請法などがあります。
 
2.契約の成立
 ほとんどの契約は、契約は当事者の申込みと承諾の合致によって成立します。
 ただし、当事者の合意だけでなく物の交付によって成立する契約があります(消費貸借・使用貸借・寄託)。
 
 人からお金を借りる金銭消費貸借契約は、原則的に貸す人からの金銭の交付を持って契約が成立します(要物契約)。したがって「お金貸してくれる?」「いいよ」といっただけでは契約は成立しません。「いいよ」と言った人に法的にお金を貸すという債務を負わせるのは酷だと考えられるからです。
 ただし、ちょっと難しい話になりますが、金銭交付前に締結された金銭消費貸借契約は諾成的金銭消費貸借契約とする見解も有力です。銀行がお金を貸してくれると言って物を買う契約をしたら貸してくれなかった、っていうことになったら大変ですよね。
 また、保証契約は民法446条2項※で「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」として、口頭の合意だけでは効力が生じません(要式契約)。
 

 

3.契約書の機能

 契約書の主な機能として、事実の証明、紛争の予防があげられます。
 
(1)事実の証明
 たとえば「1万円貸して」と言われたときに「じゃあ契約書を結んで」と言う人はほとんどいないと思いますが、「10万円貸して」と言われた時は、何もなしに貸すのはためらういますよね。もし相手がお金を返してくれなかったら、1万円ならあきらめがつきますが、10万円はちょっとあきらめられませんよね。「お金返して」っていったとき、「そんなの知らない」とか、「えっ、あれくれたんでしょ」と言わせないためにも、書面として契約書を残しておくことは大切です。
 将来の紛争を考えたときに、証拠書類としての契約書が重要になってきます。
 
 要式契約以外のほとんどの契約では、口頭の承諾のみで契約が成立します。でも本当に契約が成立したのかどうか、そのような内容について合意したのか、実際に合意した証拠がないと、あとから紛争が生じたときに主張できません。
 
(2)紛争の予防
 甲は乙に「10万円貸して」と言われて
「甲が乙にいくらいくら貸して、乙はいくらいくらを受領した。
乙は○月○日に全額を返済する」
という趣旨の契約書を作りました。
 これは契約の事実の証明としては機能しますが、乙がお金を返してくれないとき、裁判に訴えるぐらいしか手がありません。
 乙がお金を返してくれないため貸倒になる、という契約上のリスクを回避するために、甲は契約上で様々なリスク回避のための手段を講じることが可能です。
たとえば、
 ・乙の持っている不動産に抵当権を設定してもらい、抵当権設定後金銭の交付をおこなう(不動産担保)
 ・乙の持っている車を担保に入れてもらう(譲渡担保)
 ・乙のお父さんに連帯保証人になってもらう(連帯保証)※
と言ったことが考えられます。
 いわゆる契約書のひな形は、本屋で売っている書式集であるとか、インターネットなどで入手できますが、契約書に予防の機能を持たせるためには、将来起こりうるいろいろなことを想定して、それに対してお互いどのように対処するかということを記載していないと、予防にはなりません。個別にいろいろ事情がありますので、一般的なひな形では、個別の取引に潜むリスクについては対応できない場合があります。
 
 契約書を記載するうえでは、 
取引上のリスクの分析 ⇒問題点の抽出 ⇒対処方法の検討
 ⇒契約上の落とし込み(ワーディング)

 
 という作業が、重要になります。
 
 対処方法の検討は、ある程度の法的知識が必要になってきます。また、ワーディングは契約書に慣れていないとなかなか難しく、言葉の使い方一つで本来意図したことが通じなくなったりします。個別の事情を反映させたい契約書を作成したい場合には、自分で作るよりも専門家に任せた方が安全です。
 
契約書の実際の作成例
 
※ 
第446条 (保証人の責任等)
保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。